ベンヤミンがわからない——『ドイツ・ロマン主義における芸術批評の概念』精読
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PARA 第1期 本クラスの受講受付は終了いたしました
クラス紹介
このクラスはオンラインで行います。
本講座は、長らく絶版だったベンヤミン『ドイツ・ロマン主義における芸術批評の概念』(ちくま学芸文庫、浅井健二郎訳)が復刊されるのを機に、同書の精読を試みるものです。
※オンラインでの開講となります。
※邦訳のちくま学芸文庫版を、初回までに何らかの仕方で入手しておいてください。9月末に再版されます。古い版でも内容は同じです。
※1回程度、担当箇所のレジュメを作成し、発表してもらう場合があります。
• ベンヤミンとドイツ・ロマン主義
「アウラ」、「ミメーシス/模倣」や「暴力」、そして「翻訳」などを極めて特異な仕方で論じたベンヤミンが、芸術を考える上で極めて重要な人物であるというのは疑いがありません。しかし彼の本を読んでもいまいちピンとこないとか、そもそもまったく読めない、という人は多いのではないでしょうか。
その理由には、哲学の基礎知識などが必要だといったことも勿論ありますが、彼の徹底的なユダヤ神秘主義思想が大きく関係していると思います。ベンヤミンはドイツ・ロマン主義とユダヤ神秘主義とに近いものを見てとっており、ロマン主義の理解はそのままベンヤミンの理解に通じています。ベンヤミンの博士論文である『ドイツ・ロマン主義における芸術批評の概念』は、難解ではありますがベンヤミンの思想全体にアプローチするための良い導入となるでしょう。
• 精読について
精読で重要なのは、「自分の理解に引きつけ過ぎない」ことにあります。理解可能なところだけ抽出してわかったつもりになるとか、あるいは逆にわからないものとして斥けることは簡単ですが、「わからないものをわからないものとして保っておく」ことが肝要です。保持していたわからなさが、いつかどこかで何かと結びつく――ことがある。哲学にも芸術にもおそらくそういう豊かさがあるはずです。とは言えなんとかわかることを目指して読み進める必要もある。わかることを手掛かりにして前に進んでいく必要がある。ここにはいくばくかの精読の技術があるため、本講座はそれを実践的に学んでいくことも目的とします。
いずれにせよ、ベンヤミンのユダヤ神秘主義に基づく思想は、われわれの生きている世界とは文字通り異なる世界を開いているのであり、それを「理解する」ことは、自分が別の存在になってしまうことと同義かもしれません。それくらいのつもりで、半年かけてじっくり一冊に取り組んでみましょう。
回数
7回
定員
10名
価格
一般 20,000円
学部生 10,000円
日程
2022年
10月10日、10月24日、11月21日、
12月12日
2023年
1月30日、2月13日、3月13日
曜日
月曜日
時間
20:00ー21:30
選抜方法
先着順
申込期間
9月20日(火)20時ー30日(金)20時
申込方法
PARA 第1期 受講受付終了
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