作品の「全体」はいつ・どのように得られるか

講師(リレーション)
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概要
ウィトゲンシュタインは哲学者として知られていますが、出自は芸術家のパトロン一家にあり、19世紀のウィーンで、最先端であった音楽や絵画に囲まれて育ちました。彼自身もクラリネットを演奏したと言います。「趣味」においてだけでなく、ウィトゲンシュタインは「哲学」においても芸術的でした。彼の遺稿には、(狭義の)言語と音楽作品や絵画とのアナロジーがしばしば見受けられます。ウィトゲンシュタインにとって芸術は、私たちが何か意味あることを発し、受け取る活動として興味深い事柄でした。さらに、「美学、心理学および宗教的信念についての講義と会話」という講義録は、ウィトゲンシュタインにとって哲学のエッセンスが、美的判断に似たものであったことを示唆します。今回のレクチャーでは、こうしたウィトゲンシュタイン哲学の特徴を活かし、常に一部にしか触れていない(見えていない・聴こえていない)はずの作品の「全体」があるという考えがどのように成立するかについて考えてみたいと思います。
日時
2023年2月4日(土)17時〜18時30分
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