「声で他者とうつし合う」

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クラス紹介
このクラスでは声の身体表現について探求します。 声のうちに聴かれるものとはなんでしょうか。声にはジェンダー的、人種的、社会的、身体的、物質的、空間的要素が複合的に関係し作用しています。日本には豊かな声の文化がある一方で、国内のパフォーミングアーツの実践においては、前述したような複合的な観点から声そのものが扱われ、論じられることは本当に少ないように思えます。歌や演技はもちろんですが、声とは意味内容の伝達やその為の技術を越えて、むしろ言葉やその意味からはみ出し、時に解体して、別のイメージやコンテクストを引き込んだり、聴いているこちらの身体を揺らし、突き刺し、とり憑くような力があります。ロラン・バルトは、その人の身体としか言いようのない物質性のことを「声の肌理」と呼びました。 この「肌理」や「物質性」をキーワードに、自らの声を様々な仕方で観察します。加えて環境中の種々の要素を観察し、それを肉声で再現することで対象に接近してみます。自らの声の質感と対象から受ける質感との類似性や違い、また、声の聴取を通した視覚的、触覚的イメージ、あるいは造形的イメージなど、自身の身体内外にどのような空間が開かれ、運動が生起するか、いくつかの方法で試してみたいと思います。 ある制度において需要される「良い声」を目指したヴォイストレーニングや、超絶な特殊発声などに挑戦することはしません。むしろ身体を取り巻く物質環境から“うつし”合わされるかたちで、自身の声を新たに発見すること。一見地味でプリミティブに思えるかもしれません。声と心と物質、それらが相互に“うつし”合い、もつれあいながら生み出す運動や形象をどのように表現へ落とし込むことができるか。古今東西の声の表現や理論をはじめ、近年私が取り組んでいる方法を、レクチャーと身体を使ったWSを組み合わせて行います。声は未知でわからないことだらけですが、様々なアプローチを試して、参加者のみなさんと考えたいと思います。 最終的にはテキストの発話を通して、身体全体で風景や質感を立ち上げるような上演ができればと思っていますが、クラスの進捗や参加者のやってみたいことなどを聞いて、上演に限らず考えたいと思います。本クラスは演劇やダンスなどの身体表現をやっている方はもちろん、他ジャンルの方、実践経験のない方にも是非参加していただければと思います。声を出すことはちょっと勇気がいることかもしれません。しかし参加される方それぞれの知見や視点が重なることで「声の形」がより豊かに見えてくると思います。
回数
6回
定員
8名
価格
80,000(学生30,000円)
日程
2023年 6月3日、6月10日、6月17日、 6月24日、7月15日、7月22日 ※事前説明会を4月15日20:00~、オンラインにて開催します。このクラスを受講したい方は、必ず説明会にご参加ください。
曜日
土曜日
時間
13:00ー16:00 
選抜方法
作文(※事前説明会への参加が必須となります。)
開講形式
このクラスは対面のみで行いオンライン受講はできません
申込期間
2023年4月1日(土)0時—4月20日(木)24時
申込方法
最新情報はTwitterで続報します
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