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(更新用)分散型自律展覧会「実効|Work」ガラ
プログラム概要
「実効|Work」は、あるひとつの作品を遊びつづけ、作品にはたらく新たな動詞「実効」を提案する展覧会です。
本展は、ウェブサイトや、SNS、共同編集されるドキュメント、音声チャンネル、店舗で突発的に開催されるイベント、そして神保町での特別興行「ガラ」など、いくつもの会場・いくつもの会期を持って点在しています。長期にまたがるその散発の総体がこの展覧会です。現在のコアメンバーとして、アートコーディネーターとして活動する西村梨緒葉と、アーティストの大岩雄典が、各会場をとりまとめています。
美術家・大岩雄典は、2022年に作品《カードゲーム》を発表しました。カードに書かれた「呪文」を読み上げることで、それが場に作用するインスタレーション作品です。《カードゲーム》がプレイされていく中でわかったのは、それが作者の手にとどまらない、誰でも拡張=制作ができる可能性に開かれていることでした。作者によるデザインにとどまらず、誰でも新しく戦法がひらめいたり、新たに書いたカードを山札に加えるだけで、作品の空間が拡張されていきます。
たとえば将棋が、一度ごとの試合だけでなく、ひとつの共同知がはたらく謎として、集団によって何世紀も「プレイ」されているように、本展は《カードゲーム》を遊びつづけます。
本展は、作品と人間との関わりかたについて、観賞や参加、テストプレイや制作をひっくるめた動詞「実効(Work)」に誘います。会話やドキュメントの共同編集によって、これまで展覧会に前提されてきたような、作品・観賞・会場といった言葉を現在進行形で書き換えるハッキング(呪文の詠唱)を、本展は試みています。
アーティストも観客も境目なく、ともに《カードゲーム》という作品を「実効」する現場が、本展の会場です。現在も、ある場所ではプレイ中に新しいカードが思いつかれ、ある場所では白熱した大会が開催され、ある場所では展覧会を構成する概念を練り続けています。どこにおいても、まずは訪れることから実効は始まります。
11月の30日間にPARA神保町で開催される「ガラ」は、それまで「実効」された成果や、そこから「実効」される可能性が持ち寄られ、共同知が堆積、シェアされるホットスポットです。それは、日夜オープンする雀荘の形をした、収穫祭です。

過去のプレイの様子


「実効|Work」ガラ(特別興行) 会期
2023年11月1日(水)- 30日(木)
アーティスト:大岩雄典
コーディネーター:西村梨緒葉
開館時間 | 15:00-21:00 ※火曜休館 ※イベントに応じて適宜変更あり ※11月1日(水)- 3日(金)は設営期間 ※詳細は特設サイトのイベントカレンダーをご参照ください。 |
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料金 | フリーパス| 3,000円 1日チケット ・トークあり開館日| 2,000円 ・トークなし開館日| 1,000円 ※フリーパスの購入で、会期中に実施するすべてのトークに参加できます。 ※トークありの開館日に1日チケットを購入いただくと、同日に実施するトークに参加できます。 ※PARA各種フリーパス・コース無料適用 ※11月1日(水)〜3日(金)の設営は、入場料無料で公開いたします。ゲームのプレイ可否は設営の進捗により未定です。 |
カードゲーム | 会場特別価格| 5,000円 拡張パック | 2,000円 |
会場 | PARA神保町2階 東京都千代田区神田神保町2-20-12 第二冨士ビル2階 https://goo.gl/maps/th8HqeciE7dRfDdK8 ※会場まではビル内の階段を利用してご来場ください。 |
問い合わせ | co.playsandworks@gmail.com |
分散型自律展覧会「実効|Work」
【会期】
2023年4月17日(月)- 11月30日(木)
【会場】
分散して複数
◎ロビーはこちら
※「ロビー」やさらにリンク先のウェブページは広報用ウェブサイトではなく、それぞれが会場です。「実効|Work」は実会場・インターネットにまたがる複数会場の展覧会です。
展覧会コーディネータープロフィール
トークイベント
▽11月4日(土) 20:00 – 21:30
『プレイアビリティの展覧会』
スピーカー:大岩雄典
昨年開催した《カードゲーム》お披露目の展覧会「可能|Possible」でおこなわれたトークイベントで、ゲームプレイの「共同知」という話がありました。将棋は一度一度の対戦試合をつうじて、何百年も、将棋というひとつの謎を共同でプレイしている。戦法が蓄積し、歴史の上でプレイする。あるゲームのアイデンティティはそうした共同知を促し、反映する。
この共同知というアイデアから始まったのが「実効|Work」です。共同知の収穫・蓄積それ自体を「展覧会」と呼び、集団が出入りして散発的に実効するものとして形成してきました。
「展覧会(exhibition)」が「外に(ex)持つ(habere)」ことならば、あるゲームのプレイの記憶を、私たちが私たちの外に持つことは、展覧会になるでしょう。ひとつの美術作品や展覧会を、知の共有と実効に支持される盤面として構成することについて話します。
▽11月5日(日) 15:00 – 18:00
『ゲームの「二周目」について』
ゲスト:松永伸司
分析美学・ゲーム研究を専門とする、松永伸司さんをゲストにお迎えします。本展の着想のひとつに、昨年開催された「可能|Possible」の際に松永さんをお招きしたトークで話題に挙がった、ひとつのゲームを協働して探究する「共同知」のアイデアがあります。今回はそのトークから一年越しに本作の、「実効」で蓄積されてきた新たな展開=拡張についてトークします。
▽11月13日(月) 時間調整中
ゲスト:田中功起
アーティストの田中功起さんをゲストにお迎えします。田中さんの映像作品《9人の美容師でひとりの髪を切る》はタイトルどおり、1人のヘアカットを9人が対等また同時に担当するさいに起こる発話や判断をとらえます。「実効」もまた、《カードゲーム》という「ひとつのことに複数人であたる」行為、プレイによる共同体の仮構を主題とします。個々のばらけた判断と自然言語の組み集まり、それのなす抽象性についてトークします。※場合によりオンラインでの実施となる可能性があります。
▽11月19日(日) 18:30 – 20:30
ゲスト:黒嵜想、仲山ひふみ
※詳細が決定次第更新!
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