PARA神保町 体制変更について(ご報告)

 
2024年4月より、PARA神保町(運営:株式会社set、以下、PARA)は運営体制を変更いたしました。岸井大輔氏は2024年3月にPARAの代表を辞任し、現在は、企画を担う4名を中心とした、総勢20名程度のスタッフによるコレクティブ体制での運営に移行しています。
 
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また、体制を刷新する中で、PARAに関わる方が安心して活動できるよう、PARA活動方針の策定と相談窓口及びコンプライアンスチームの設置も進めてまいりました。
 
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抜本的な組織体制の再構築を急速に進める中、活動方針の策定と相談窓口の開設にも時間を要し、みなさまへのアナウンスが遅くなってしまったこと心よりお詫び申し上げます。
 
以下、体制変更の経緯を説明いたします。
2023年12月、岸井大輔氏に関する書き込みがSNS上にありましたが、このことは、公的機関が岸井氏とSNS投稿者の間に入って話をしており、すでに対処を講じられていると報告を受けています。
PARAとしては、このSNSの書き込みに関する事実関係について確定的な判断を下せる状況ではなく、そのような状況で不用意に事実関係について公に語ることは当事者のプライバシーや名誉を侵害する恐れがあるため、現時点ではこのことに関するPARAとしての事実認識や意見を表明することは考えておりません。
しかし、2024年1月以来、PARAが適切なコンプライアンス体制を有していなかったため、また、当時の代表である岸井氏の対処も十分ではなかったために、関係者の皆様に混乱を招いてしまいました。心よりお詫び申し上げます。
一方、本件をきっかけとして、PARA立ち上げ当初から続いていた、代表が企画から決裁までを一手に担う体制が運営上不健全である、という結論に至りました。これを解消すべく、PARA共同主宰の齋藤恵汰が、それまで監督責任を果たせていなかったことを顧み、組織体制の見直しを行いました。
2024年1月時点では、岸井氏が代表を継続しながらも、代表の運営に異議を申し立てることのできる機能を組織内に新たに設けて民主的なツートップ体制へと移行することを目指していました。合わせて、岸井氏の代表としての適格性を判断するために、PARAスタッフの一部を対象としたヒアリングを実施しました。
しかし、ツートップ体制に移行したところ、組織内の協調を欠き、PARAとして意思決定することが難しくなってしまいました。状況の改善に向けて尽力する中、2月1日に岸井氏から突如として代表辞任の申し出がありました。
年始から続いた状況の変化と混乱から、PARA内外に対してまとまった説明をできない状況を続けてしまったこと、それによる不信感や不安を招いてしまったこと、重ねてとはなりますが心よりお詫び申し上げます。
2024年1月に、PARA運営陣の一部は、岸井氏に対して「スタッフおよびPARA関係者に向けて、(1)昨年末のSNSの書き込みに関しては当事者の岸井と投稿者の間で問題解決に向けた対処を進めており、PARAは対処に加わるべきではないこと、また、(2)PARAのコンプライアンス体制の整備の見通しについて説明すべきだ」と提案しました。岸井氏もこれに同意して、1月に説明会を行いました。しかし、PARA内部で情報が錯綜しているなかで、情報開示量を狭めた説明会を実施した結果、出席した方の疑念をかえって深めてしまいました。
その後、PARA運営陣の一部は、スタッフ・講師へのヒアリングを行い内部不安の解消に努めました。一方で、PARAが説明責任を十分に果たしていないという認識のもと、あらためて組織としての公式見解を表明することを幾度も提案しましたが、代表在任中の岸井氏から同意を得られずにきました。
状況の改善に向けて尽力する中、岸井氏から代表辞任の申し出があったため、岸井氏は2024年3月9日付で代表を辞任し、新たな代表に齋藤恵汰が就任したうえで、新たな企画メンバーとともに体制の再転換を図りました。ですが、PARAと岸井氏との関係を一気に見直すことは難しく、岸井氏は代表辞任後の2024年4月から6月までの引き継ぎ業務において、PARAの運営に一定の影響力を持ち続けました。PARAとしては岸井氏の辞任の経緯について公表すべきと認識しておりました。しかし、岸井氏が個人で文書を発表する予定であると聞いていたため、PARAとして岸井氏の辞任について公に説明することを留保しておりましたが、その文書は現時点で公開されていません。
今になって思えば、岸井氏の意向に沿ってPARAの対応を決定してきたことが不健全でしたが、PARAは売上方針や経営戦略を岸井氏に依存しつづけてきた結果、岸井氏の意思に反することを社内で主張することができませんでした。
ですが、先に述べた内部へのヒアリングを、二度にわたる体制変更の中で継続して進めていく過程で、年始以降に岸井氏が代表として、または引き継ぎ業務において、一貫性を欠いた発言が認められ、岸井氏のこれまでの運営上の振る舞いに対する疑義が浮き彫りになりました。PARAとしては、このような状況において岸井氏が運営に影響力を持ち続けることは不適切であると、認識を改めました。
年始から現時点に至るまで、岸井氏の一存で運営や経営方針を決定できる状態を看過してしまったことは、組織体制上の問題であったと反省し、心よりお詫び申し上げます。
2024年7月現在、組織・運営体制共に完全に独立したため、岸井氏には運営体制から完全に退いていただきました。
今後、PARAに関係する皆様におかれましては、本組織と岸井氏との関係について認識を改めていただくようお願いいたします。
 
PARAが、さまざまな人が集まって芸術をつくり、学び、出会うことのできる場として、ここ神保町にありつづけてほしいと、私たちは思っています。そのためには、誰かひとりに依存することなく、運営する面々が変わっても営みをつづけていかなくてはなりません。システムを構築することは重要ですが、なによりも、そのシステムを実際に営む人たちがいて、彼らが安心してコミュニケーションを取り、相互に連携できるようにすることが不可欠です。
そのような営みを目指していくことが、PARAという場を立ち上げた岸井大輔氏と篠田千明氏の功績を本当の意味で尊重し、PARAに集まる人々が対等に関わりあえる場をつくっていくことにつながると信じています。
PARAの活動は他に類をみない内容だと自負しております。様々な社会環境が変化する中、一旦立ち止まり、PARAに通うことで自身のアートをのびのびと考える時間を過ごしていただけるよう、取り組みを続けてまいります。
 
2024年7月1日
PARA
 
PARAからお仕事を委託している講師やアーティスト等、取引先のみなさまには、この件を2024年7月4日付でお知らせしました。この件に関し、講師やアーティストの方々へのお問い合わせはお控えください。PARAへとお寄せいただいたご意見に真摯に向き合ってまいります。
 
PARAコンプライアンスチーム
soudan.paratheater@gmail.com
 
文書公開について岸井氏に知らせた結果、公開準備中の7月5日に、岸井氏が代表辞任に関するメールを関係者に送付していた模様です。
送付されたメールの文面は岸井氏個人サイトにも公開されています。
 
 
2024年7月7日
PARA