ハラキリを深掘りするゼミ

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クラス紹介
 ギリシャの演劇界隈から、ある新作の依頼を受けました。幸運にも期限は差し迫ったものではなく、2025年か2026年くらいに実現すれば良いそうです。演目の候補として、ソフォクレスの『アイアース』が挙がりました。ギリシャ神話に登場する武将アイアースが自殺する、その過程と事後の顛末が描かれた悲劇です。依頼主のギリシャ人曰く、「とてもハラキリな作品だから、あなたが演出すると良いと思う」とのこと。日本人がいまだに切腹を期待されることに驚きつつも、確かにわたしがこれまで取り組んできた演劇作品はすべて「死」を主題としているので、提案を断る理由はなく、素直に「やってみよう」と思いました。    この作品に取り組むためには、まず自死のケーススタディが必要です。とりわけ、日本の自殺者の約7割を男性が占めることは無視できません。男性的思考、あるいはオトコ社会といったもののフィルターをつけたり外したりしながら、自死の歴史を辿り、関連する日本文学を読んでみたりして、ハラキリのメカニズムについて理解を深めるところから始めようと思います。 しかし、そこにはどんな精神的危機が潜んでいるかわからず、もしかしたらわたしもミイラとりの如く、いつのまにか自死を志したくなってしまうかもしれません。ですから、これを独りで行わず、テーマにピンとくる仲間と共に、ゼミ形式で進めたいと考えました。    このゼミでは、わたしが普段は人とシェアせずに黙々と図書館に引きこもって行う、創作初期の文献リサーチを体験的に覗き見ていただけると思います。自死やソフォクレスなど、考える領域そのものにご関心のある方はもちろん、海外の鑑賞者が日本人アーティストに対して抱く既成概念や偏見をも想定しながら臨む公開創作現場として、演出家、俳優、それらを志望する方にとっても面白いところがあるかもしれません。       どんなことをするのか ①教科書・資料の読解 ②関連文学の抜粋リーディング(テキスト持ち寄り歓迎!) ③フリーディスカッション   ①〜③を基本のユニットとし、毎回異なる角度から、基本的には自死のことばかり考えます。 参加者の顔ぶれによって、最終回には小さな朗読公演や展示を行ってみるなど、習作としてのアウトプットも検討したいと思います。       予定している教科書・資料 レジュメを用意するので書籍購入の必要はありません   • モーリス・パンゲ『自死の日本史』  筑摩書房, 1986 • 吉武純夫『ギリシア悲劇と「美しい死」』 名古屋大学出版会, 2018 • 厚生労働省「自殺対策白書」 • 警察庁「自殺の状況」 …その他、関連するテキスト多数。     参加にあたってのご注意 自分で死を選ぶ気持ちが全く理解できない、健全な精神の持ち主は参加対象です。 自傷行為を伴わず、日常的にぼんやりと「死にたい」という感覚を経験されたことがある方も参加対象です。 特定の誰かの自死に心を傷めた方も、希望されるかぎり参加対象です。 ただし、強い自殺願望をお持ちの方はご参加いただくことができませんのでご了承ください。
回数
8回
定員
10名
価格
80,000円(学生40,000円)
日程
2023年 6月1日、6月29日、8月10日、8月24日、 11月9日、11月23日、12月7日、12月21日
曜日
木曜日
時間
20:00ー21:30
選抜方法
先着順
開講形式
このクラスは対面で行いますが、ご希望によってはオンラインも対応可能です。
申込期間
2023年4月1日(土)0時—4月20日(木)24時
申込方法
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