「演劇」コース2024

演劇を始めるために、演劇を続けるために、演劇をつくるために、演劇を、

 
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演劇コースは、演劇を通して集まり、演劇を学び、演劇を手段にするための場所です。 俳優、劇作家、演出家、批評家、アーティスト、会社員、学生、どんな方でも大丈夫。 限られたセクションだけでなく、劇作・演出・演技・スタッフワークその全てについて学び、技術を習得しながら過ごす3年間。 自分にとっての「演劇」とは何かを見つけ、インディペンデントに「演劇」を続けていけるようになるための時間を、一緒に遊びながらつくりましょう。
 
演劇コースは7名の主任講師・スタッフによるコレクティブな集まりによって企画・運営されています。 この集まりから、今の「演劇」を続けていくために必要な、新たなクラスや演劇コース独自のプログラムなどを生み出し続けていきます
 

演劇コースオリジナル企画(2024年夏)

PARAの演劇コースが動き始めてそろそろ半年近くが経ちます。
企画・運営が7名のコレクティブ体制になり、8月からは2期生も合流します。
 
3月からバタバタとPARA自体の体制が変わって、あまりにも早いその流れになんとか乗り切ろうと動き続けてきました。これまで「クラス」という形での企画をローンチしてきましたが、ようやく少し先の計画が見据えられるようになってきたところです。ここから、上演とかイベントとかさらに手を伸ばしていこうと思っています。
2024年の7月に「上演のタネをまく」というクラスを実施し、この場所で上演の習作をつくるという取り組みを行いました。18名の受講生が集まり、9チームの上演ができて、結構な数の人が見にきてくれました。season2として2024年11月〜2025年1月にまた実施する予定です。
2024年の10月からは、演劇コース生による「ザ・ロビー」という企画がスタートします。PARAの2階部分を劇場ロビーに見立てて、毎週火曜日に上演とかイベントとかをやる予定です。こちらについては後日ババン!と情報を出しますので楽しみにお待ちください。
あとはレジデンス企画とか、演劇コースによる公演など計画は着実に進んでいて、やりたいこととやるべきことが溢れかえってきてる感じです。
と言いつつ、PARAという場所をまだうまく使い倒せていないのが現状です。いろんな妄想を本当に実現できるの?という、机上の空論状態が続いているというわけです。まあ、多分実現できるんですが、ちゃんと遠くまで手を伸ばしていくために、ちょっと自分たちも一回やってみるかという8月にします、夏休みですし。
 
一つは、加藤仲葉による『intermission/ただいま休憩中』です。
制作者によるレジデンスってあるといいよね、というアイデアから始まりました。普段京都から遠隔で一緒につくっている仲葉さんが、8,9月は東京にきているとのことだったので、PARAに滞在してもらうことにしました。
アーティストであれば、上演日や発表日がまさしく本番に当たるわけですが、制作者の場合そこまでの道程や準備が常に本番であるという気づきから、PARAでの滞在は「休憩」を目的にすることになりました。本番と休日のあいだ、intermissionだからこそ考え・集まることを目指し、これからの「制作者の仕事」について見据えなおす時間にします。
一般にも開きつつ、お茶やおしゃべりをする機会もつくる予定ですのでチェックしてみてください。
二つ目は、中條玲によるレジデンス、そして8月30日(金)には一日限りの上演を行います。
10月からはじまる『ザ・ロビー』と、今後予定している『ソロ・レジデンス』のパイロット版として、PARAで作ったり上演したりするってどういう感じなのかを確かめます。『ザ・ロビー』と『ソロ・レジデンス』のvol.00です。
パイロット版と言いつつ、上演は結構しっかりやるつもりでいます。今のところ講談の形式を借りてきて、30分くらいの新作の噺をやろうと思っています。まずは講談の完コピからやるつもりです。ぜひ遊びにきてください。
(演劇コース 中條玲)

ひと

主任講師

スタッフ

ことば

稲継美保

PARAという場所ができてから、ここで2年間「演技の教室」というクラスをやってきました。実は今のPARAができる前の旧PARA(とある一軒家)でも同じクラスをやっていました。 私は俳優として様々な作品で演技してきました。色々な現場で見聞き体験してきた演技というものについて、そのおもしろさやおそろしさ、味わい深さやでたらめさを改めてじっくり研究するようなことがしたいなぁ…と「演技の教室」を開講しました。 演技の〝教室”と言っても、先生と生徒という関係の中で何か一方行的に教える/教わるといった内容ではなく、そこに集まったメンバーで(時には私と受講生の方マンツーマンで)今目の前で起きている「演技」について、ひたすらに観察・発見・言語化していくことをやってきました。演劇における演技はもちろん、生活の中での演技、自己を生きるうえでの演技、社会を生きるうえでの演技、受講生の方と一緒に、演技とは、演技って、演技だから、演技、演技…!と語り合う時間は実に刺激的でした。 「演技の教室」をやりながら、特定の作品のための稽古ではなく、そして専門学校や大学や養成所やワークショップでもない場所・時間で演技のことを試したり考えたりすることが、どれだけ豊かで愉快なことかと何度も思いました。そしてそういう場所は現状あまりにも少ない。
PARAの演劇コースは、演劇における、そんな場所や時間を求めている人のためにあると思います。 とは言っても、どうやら「演劇」の「コース」であるということだけが決まっていて、その中身のひとつひとつや全体像は、これから出会う人たちと一緒につくっていくのだと思います。 講師、なんて役名をいただいてしまいましたが、「演劇コース」の名の下にこれからどんな上演がなされていくのか、この場所の登場人物の1人として、前のめりに楽しんで演じていきたいと思っています。

川口智子

新しいプロジェクトを始めるとき、何をつくるか、誰とつくるか、そして、どうつくるかを考えます。コンテンポラリー・劇場・芸術という領域で創作する魅力は、つくり方を発明していいこと、その発明に納得がいくまで時間をかけて挑戦していいこと。ファストじゃない。
そうしてつくられた「こと/人/存在」と出会うのが「劇場」という場所です。日常では通り過ぎてしまう時間をゆっくりにしたり、止めてみたり、あるいはネジってみたり。そうして現実に出会う時間をくれる場所です。
今この文章を読んでくださっている方、ぼんやりとつくりたいと思っているとか、誰をさがしていいのかわからないけれども一人ではできないと思っているとか、どうやったら実現できるかわからないつくり方を妄想しているとか、そんな風に“いつもの計画”よりも少しだけ遠くのことに時間を使ってみたいと思っている方は、開講されているクラスの内容を見てみてください。ここには演劇/劇場をブレイクダウンしてひとつひとつの技術/思考に落とし込んでいるものがあります。「演劇コース」はこのクラスから選択しつくっていくオーダーメイドのコースです。クラスの中にはコース1期生と話をする中で生まれたものもあります。私もこれから実現したいPUNKなクラスを準備中ですし、これから迎えるコース生と出会って自分ひとりでは思いつかないクラスをつくるのも楽しみにしています。ここは、自分の「演劇/劇場」という概念をまさに1点もののオートクチュールとして身につける3年間のメゾンです。Maison PARA!!!
コースを始めるのは気軽な決断ではないと思います。けれども、一緒にコースを始める人たちや、クラスや上演で出会う人たち、そして神保町の劇場に集まる人たちとの出会いがあるということにピンと来たら、それがはじまりのタイミングかもしれません。
みなさんを神保町Maison PARAでお待ちしています。

加藤仲葉

この度、PARAの演劇コースで1年間講師をすることになりました。
私はPARAの演劇コースを「自分のやりたいことをできるようになる」場所だと考えています。
やりたいことを実現しようとする時、一人でできることもありますが、たいていは人と関わったり、人と集まって何かをしたりします。
その時にどんなことをするか。
例えば、人に声をかける、やりたいことを人に伝わるように話す、予定を立てる、詳細を詰めていく、お金のことを考える、調整をする、遂行するためにやり取りを重ねる、など。そして更に、誰かに見てもらいたい場合は、どんなふうに見てもらいたいかを考える、見てもらえるよう手配する、なども。
一見簡単なように見えますが実際に始めてみると具体的にどうすればいいか迷うことがあります。また既に取り組んでいる場合でも、どこかで躓いたり困ったりすることもあるのではないでしょうか。
そこを乗り越えて、やりたいことをできるようにするためには技術・知識・経験が必要です。経験だけでも、技術や知識だけでもなく、すべてを重ねていくことがとても大事です。
PARAの演劇コースでは3年かけてこれらの獲得を目指します。沢山のクラスと、PARAスタッフの矢野さん・旦さん・堀切さん・中條さん、講師の川口さん・稲継さん・私という、考え方も取り組み方も違うメンターたちがそれをサポートします。
そして「演劇」コースとありますが、自分のやりたいことをできるようにすること、誰かと何かを一緒にすることはなにも演劇に限ったことではありません。演劇以外のジャンルでも、普段の生活の中でも、何かしら思うところのある方はぜひコースへの参加をご検討ください。また、既に時間をかけて取り組んできたけれど今いるところからブレイクスルーして次のところに辿り着きたいと考えている方も、ぜひ、です。
人と関わりながら、自分のやりたいことをできるようになるために、年齢も経歴も関係なくいろんな方と一緒にじっくりと取り組んでいければと思います。よろしくお願いします。

矢野昌幸

よく俳優の演技を自転車の比喩で喩えることがあります。自転車に乗れるようになるには誰しも初めはうまくいかなくて何度も転んだり失敗をする。そんな経験をしながら、自転車に乗る感覚を掴む。一度感覚を掴めば、何も考えなくても自然に自転車に乗れるようになる。演技もこのように、人前で演技をすることは初めはすごく難しいけれど、経験を積み、慣れてしまえば自然と人前で演技をすることができるようになる、というようなそんな喩えです。私は俳優なので確たることは言えませんが、自転車の比喩は俳優の演技に限ったことではなく、演劇に関わるすべてのセクション、劇作、演出、制作、スタッフあるいは創作活動全般に言えることだと思います。専門学校や養成所、W Sなどは自転車に乗れるように、さらには競輪選手のように速く漕げるようになるための場所なのかもしれません。自転車にちゃんと乗れて、速く漕げることはとても素晴らしいことです。何よりもお金になる。映像なんかに出て有名になれるかもしれない。大河ドラマに出れば親孝行にもなりますし。
しかし、わが演劇コースは自転車を速く漕げるようになるための場所ではございません。生活は大事です。しかしそれと同時に、自分のために、自分の演劇をすることも大切です。長く演劇と向き合ってきた講師陣とスタッフが、皆さんが大怪我をしないよう、初めて自転車に乗る時のように、ゆっくり演劇と向き合うことに付き添います。手で漕いじゃってもいい。お尻をハンドルに乗せてもいい。サドルを頭に乗せたっていいんだ!そしたら月を背景に自転車で空を飛べるかもしれない!朝日を浴びて坂道を二人でニケツしちゃお!親子で自転車、泥棒しようよ!これも比喩です。

旦妃奈乃

 
 

堀切梨奈子

PARA神保町は2022年10月に「企画劇場を目指す場所」としてはじまりました。劇場といえばの立派な舞台や客席はありませんが、小さな白と黒の部屋がひとつずつ(ホワイトキューブとブラックボックス?)と、同じビルに50年続く美学校と共有している大きな部屋(コース生は自習に使ってください!)があり、ジャンルを飛び越えて考えたり実践することができるたくさんのクラス、いろんな佇まいの講師とスタッフと受講生、そして展示や上演があります。
なにかをつくり、誰かと考えを交換しあうことが当たり前に存在する未来が続くために集う場所として、「PARA神保町」と「演劇コース」を使ってもらえるとうれしいです。

中條玲

新しい表現なんてもう出ないんじゃないか、掬い上げてくれる手がいつ現れるかもわからない、インディペンデントに続けていくにはあまりにも地図はぐちゃぐちゃで、だけど道に迷っている余裕もない。人の数がそれなりにいるから焼け野原はイメージでしかなくて、なんとなく続けることもなんとなくやめることもできてしまう。
いまの演劇の環境は、行先の道筋は見えず、できるだけ消耗しないように苦しまないようにと進んでいて、同時にそれを変える手が生まれてきているタイミングに思います。
PARAはさまざまなジャンルの文字、物体、映像、言葉、音、時間、思考、身体、空間が流れている場所です。「演劇」という名前でいくつものメディアに触れているうちに一つひとつは厚みを持って、そのとき両手は扱えるもので溢れかえってて、役割ではなく「演劇」をやることができるかもしれない。それが、掲げている「演劇を自力で続けていくこと」だとしたら、その可能性に賭けられる場所です。
地図の読み方を知り、遊び続けた手が、いつの間にかはみ出して地図を書き換えてしまうこと。集まってつくるということを実直に捉え、そこに継続していくための活路を一緒に見つけ出していけたらと思っています。楽しみましょう。

演劇コースとは?

演劇コースは、3年間でインディペンデントに「演劇」を続けていけるようになるための場所です。 「集まること」「技術を身につけること」を実直に考えるための場所とプログラムを用意しています。

①PARAで開講のクラスを3年間で20クラス受講できます!

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PARAは、演劇における様々なセクション(劇作・演出・演技・スタッフワーク)の技術を網羅的に学べるクラスを開講しています。また演劇のみならず、美術や哲学など他ジャンルの歴史や技術を学べるクラスも多数開講しています。 一人ひとりの興味や習得したい技術に合わせて、相談しながらカリキュラムを組みます。
クラスの一覧はこちら

②月2回PARAに集まる「定期ミーティング」に参加できます!

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毎月2回、PARA現地+オンラインで「定期ミーティング」を開催します。演劇コース生・主任講師・スタッフが集まり、「演劇」についての議論、制作の相談、協働者の発見することができる場所です。演劇コースというコミュニティに集いながら、「演劇」を続けていくためのコミュニケーションとネットワークを形成することができます。

③3年間を通しての演劇コース独自のプログラムに参加できます!

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3年間を通しての演劇コース独自のプログラムを用意しています。リーディング公演、試演会、PARAレジデントアーティストとの共同、演劇コース生による本公演など、習得した知識や技術を元に実践を通して、「演劇」をつくる力を身につけます。
 
演劇コースの様子はこちらからもわかります。
演劇コースのインスタグラムアカウントはこちら
演劇コースのポッドキャスト『沸騰石はなにもしない。』(毎週木曜19時更新)はこちら

クラス一覧

2024年10月から受講できるクラスの一覧です。 演劇系のクラスはもちろん、美術や哲学などさまざまなジャンルにおける基礎から応用までさまざまな知識・技術を習得できるラインナップをご用意しています。

◎演劇系のクラス

◎美術・哲学系のクラス

過去に開講・今後開講予定のクラス

これまでにPARAで開講したクラス、今後開講する予定のあるクラスの一覧です。 中には、演劇コース生の要望に応えて成立したクラスもあります。 3年間で、それぞれにとって必要な知識・技術のために、自分だけのカリキュラムを組むことができます。

概要

価格一般:入学金10万円+年間25万円 分割払いにも対応! 一年目:月々3万円(年間36万円)、二・三年目:月々2万円+1万円(年間25万円)
内容・3年間で20クラスの受講(若葉町ウォーフ「波止場の学校」の講座も受講可能) ・定期ミーティングへの参加 ・演劇コース独自のプログラムへの参加 ・共有スペースの利用(会議、仕事、作品制作、稽古、歓談などで利用可能) ・PARAで開催のすべての公演・展示を無料で鑑賞
講師・スタッフ主任講師|稲継美保、川口智子、加藤仲葉 スタッフ|矢野昌幸、旦妃奈乃、堀切梨奈子、中條玲
定期ミーティングの日程 2024年度 【第1クオーター(Q1)|2024年4月~】 4月27日(土)、5月13日(月)、6月1日(土)、6月10日(月) 【第2クオーター(Q2)|2024年8月~】 8月7日(水)、8月17日(土)、9月7日(土)、 9月25日(水) 【第3クオーター(Q3)|2024年11月~】 11月6日(水)、11月20日(水)、12月7日(土)、12月21日(土) 【第4クオーター(Q4)2025年2月~】 2月19日(水)、3月5日(水)、4月5日(土)、4月12日(土) *水曜日20:00ー21:30、土曜日10:00ー12:00(Q1は13:00ー15:00) *定期ミーティングの日程は暫定です。 *演劇コース2期生は第2クォーター(2024年8月〜)からの参加となります。
 

お申し込み方法

【一括】⇒お申し込みはこちら 【分割】月払いをご希望の方⇒お申し込みはこちら ※月々3万円(年間36万円)
 
【申込受付期間】
2024年5月23日(木)12:00 ー 2024年6月30日(日)24:00
 
※お申し込みに関する詳細はPARA WEBの「お申し込み・お支払方法」のページをご確認ください
本コースに関するお問い合わせは【para.jimbocho@gmail.com】まで件名を「演劇コース2024」としてメールをください